ポイントまとめ
- 睡眠の量・質が下がると、ナルシシズム/マキャベリズム/サイコパシー(ダークトライアド)傾向が上昇
- たった1晩の寝不足でも翌日の“ダーク度”が有意にアップ
- 対人ストレスへの耐性低下がトリガー
- 良質な睡眠は“有害上司・同僚”を減らす最も手軽な介入策になる可能性

🧑🔬 研究の背景
- ダークトライアド:
- 🪞ナルシシズム(自己愛)
- ♟️マキャベリズム(権謀術数主義)
- 🩸サイコパシー(反社会的傾向)
これらは“持って生まれた性格”と見なされがちですが、コンディションによって日内変動する──そんな仮説をベルギー・ブリュッセル自由大学などの研究チームが検証しました。

📊 研究デザイン
項目 | 内容 |
---|---|
サンプル | ベルギー/アルゼンチンの労働者103名 |
手法 | 経験サンプリング法を10日間実施 |
測定 | 午前: 前夜の睡眠時間・睡眠の質 夜: その日のダークトライアド状態+ストレス耐性 |
取得データ | 786日分 |

🔑 主な結果
- 睡眠時間・質 ↓ → ダークトライアド ↑
- 寝不足の日はナルシシズム/マキャベリズム/サイコパシーがすべて高まる
- とくに**睡眠の“質”**低下が強いトリガー
- ストレス耐性の低下が仲介
- 眠れない → ストレスに弱い → ダークな行動出現 という経路が成立
- 逆方向の影響は微小
- ダークな1日を過ごしても、次夜の睡眠悪化は“わずか”

💡 実務インサイト
課題 | 推奨アクション |
---|---|
🌪️ 有害な力学(マイクロアグレッション、無駄ないじめ) | 長時間残業の抑制・柔軟な勤務時間で睡眠確保 |
💤 仮眠文化の欠如 | パワーナップ推奨スペースを導入 |
📈 ストレスマネジメント不足 | 睡眠教育+セルフケア研修をセットで実施 |
著者コメント
「わずかな睡眠の揺らぎでも、職場行動に大きく波及する。
“ダークな上司”は先天的だけでなく“寝不足”で後天的に生まれる可能性がある」(筆頭著者 キュエイペルス氏)

📝 まとめ
- 睡眠は“性格ブレーカー”:足りないと誰でもダークトライアド化
- 企業にとって最安のハラスメント対策=社員の睡眠確保
- 明日からできること → 「あと30分早く寝る」「昼休みに10分アイマスク」