Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、AI戦略を大きく刷新し、2025年7月に「Meta Superintelligence Labs」を設立しました。
同ラボは“人知を超えるAI=スーパーインテリジェンス”の開発を目指す壮大な取り組みですが、わずか1か月後の8月には 4つのチームに分割 されることが発表され、大規模な組織再編が進んでいます。

4つの新チーム構成 🏢
MetaはAI研究をより効率的に進めるため、以下の4チーム体制に移行しました。
- TBD Lab
CEO直属のアレクサンダー・ワン氏が率いる中核チーム。
Metaの大規模言語モデル「Llama」を監督し、次世代AIアシスタントの基盤を築く役割を担います。 - FAIR (Fundamental AI Research)
Meta内で10年以上続く伝統あるAI研究組織。
長期的かつ基礎的な研究に注力し、ロバート・ファーガス氏がリーダーを務めます。 - Products and Applied Research
開発したAI技術を 製品やサービスに応用 するチーム。
GitHub元CEOのナット・フリードマン氏が率い、研究成果を実際のユーザー体験に直結させます。 - MSL Infra
AI開発に必要な インフラストラクチャーの構築・最適化 を担当。
Meta VPのアパルナ・ラマニ氏がリーダーとなり、膨大な計算資源を支える基盤を整備します。
ザッカーバーグ氏とワン氏による社内メモには、
「スーパーインテリジェンスは間近に迫っている。我々は研究・製品・インフラという3本柱を中心に組織を最適化する」
と記されていたとのことです。

背景にあるMetaのAI戦略 💡
MetaはAI競争で遅れを取らないため、トップ研究者の積極採用 や 巨額投資 を進めています。
- 2025年6月、データラベリング大手 Scale AIの株式49%を約2兆2000億円で取得
- Scale AI CEOのアレクサンダー・ワン氏を 最高AI責任者(CAIO) に起用
- OpenAIやGoogleからの研究者引き抜きに数百億円規模の報酬を用意
さらに、これまで掲げてきた「オープンソース重視路線」を見直し、クローズドモデルの開発へシフトする可能性 も浮上しています。

人事・組織への影響 👥
ニューヨーク・タイムズの報道によれば、
- Meta Superintelligence Labsの一部幹部は退社見込み
- 部門全体の規模縮小や人員削減も協議中
- 研究者の異動・再配置も進行中
とされ、再編の裏には組織の混乱もあるようです。
また、Metaは従来の「自社モデル中心」方針を転換し、サードパーティー製AIモデルの利用 も視野に入れているとのこと。

今後の展望 🔮
Metaは次のフェーズとして、
- Llamaを核とした 次世代大規模言語モデルの強化
- AIを活用した スマートグラスなど新製品への実装
- スーパーインテリジェンス開発のための 研究・基盤・応用の3本柱の深化
を進めるとみられます。
ザッカーバーグ氏はかねてより「人類を超えるAI(ASI)は目前にある」と発言しており、MetaがAI戦争でどのような立ち位置を築くかが世界的に注目されています。
まとめ 📝
- Metaが設立した「Meta Superintelligence Labs」はわずか1か月で4チーム体制に再編
- Scale AI買収や幹部人事など、超知性開発に向けた布陣を強化
- 組織内では退職・人員再配置なども進み、不安定要素も存在
- オープンソースからクローズドモデルへの路線変更が進行中
👉 スーパーインテリジェンスの開発は、単なるテクノロジー競争にとどまらず、社会全体の在り方を左右する挑戦 になりつつあります。Metaの動向から目が離せません。
