🏺 4000年前に届いた “クレームメール” が粘土板で発掘される

🏺 4000年前に届いた “クレームメール” が粘土板で発掘される #news
「返金しろ!」「品質が悪い!」──。 現代でも耳にするフレーズですが、紀元前1750年のメソポタミアでもまったく同じトラブルが起きていました。イラク南部の古代都市ウルで見つかった 楔形文字(くさびがたもじ)刻印の粘土板には、銅商人エアナーシルに怒りの声をぶつける顧客ナンニの“長文レビュー”がぎっしり。

― 楔形文字が語る世界最古のカスタマーサポート事件

「返金しろ!」「品質が悪い!」──。
現代でも耳にするフレーズですが、紀元前1750年のメソポタミアでもまったく同じトラブルが起きていました。イラク南部の古代都市ウルで見つかった 楔形文字(くさびがたもじ)刻印の粘土板には、銅商人エアナーシルに怒りの声をぶつける顧客ナンニの“長文レビュー”がぎっしり。

📜 ギネス世界記録
**「現存する最古の顧客クレーム文書」**として公式認定

1. クレームの主役は“銅トレーダー”と“怒れるバイヤー”

登場人物役割ポイント
ナンニウル在住の富裕層代金前払いで良質な銅インゴットを注文
エアナーシルティルムン銅の商人品質劣化・供給不安に悩む
  • 青銅器時代、銅は武器・道具・装飾の必需品。
  • 原産地「ティルムン(現バーレーン周辺)」の銅はブランド品でしたが、この頃に品質低下。

2. 粘土板の中身を現代語訳でチラ見せ

「貴殿は私の使者の前に劣悪なインゴットを並べ、
“要らぬなら去れ”と吐き捨てた。
私を侮辱するとは何事か。今すぐ全額返金せよ!」

  • 約12cm×5cmの粘土板両面に“怒りの連投”
  • 「クスクス笑う」「せき払い」などAI対策のような人間らしさはゼロ
  • 書簡の末尾で返品・返金ポリシーまで宣言

3. なぜトラブル多発? 3,700年前の“サプライチェーン崩壊”

  1. ティルムン鉱山の枯渇
    • 別産地マガン産銅との競争激化
  2. 物流ルートの長期化
    • ペルシャ湾経由で輸送 → 品質劣化&遅延
  3. 価格高騰・偽装横行
    • 商人は“混ぜ物銅”で利ざや確保 → クレーム急増

実際、エアナーシル宅跡からは 別の苦情板 も複数出土。顧客対応に追われる姿が浮かびます。

4. “カスタマーサクセス”の原点に学ぶ3つの教訓

古代の失敗21世紀ビジネスへの示唆
品質管理の欠如✅ サプライチェーンの透明化とリアルタイム監査
返金フロー不備✅ 明文化された返品ポリシーと迅速な対応
コミュニケーション不足✅ マルチチャネル(SNS・チャット・電話)で顧客の声を即時収集

5. 観光・教育資源としての価値

  • 粘土板は 大英博物館所蔵(ロンドン)※要予約で閲覧可
  • ビジネススクールやCX(顧客体験)研修の教材に採用事例
  • デジタルアーカイブ化が進み、楔形文字フォントで全文閲覧も可能

まとめ 📝

顧客は4千年前から“声”を上げ続けている

ナンニの粘土板は、単なる歴史的遺物ではなく、カスタマーリレーションの本質を突く生きたドキュメント。

  • 商品に問題があれば即クレーム
  • 取引条件を明確にし、返金・返品の権利を主張
  • 悪評は記録となり永遠に残る

現代企業が向き合うレビューサイトやSNS炎上も、本質は同じです。“最古のカスタマーサポート事件簿” に学び、信頼を損なわない品質管理と顧客対応を徹底しましょう。


🔗 参考リンク

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