女性は本当に男性よりもおしゃべりなのか?最新研究が示す意外な結果
「女性は男性よりもおしゃべりが好き」という固定観念は、さまざまな国や文化に根強く残る考え方です。しかし、アリゾナ大学の心理学研究チームが行った新たな大規模調査では、過去の固定観念を覆す結果が示されました。
この記事では、これまでの研究結果や新たな発見を詳しく紹介し、性別によるおしゃべり傾向の真実に迫ります。
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過去の研究:おしゃべりに性差はない?
2007年、アリゾナ大学心理学部のマティアス・R・メール氏らは、396人の参加者に数日間ボイスレコーダーを装着させ、周囲の音をサンプリングする調査を実施しました。この調査によると、男女ともに1日あたり約1万6000語を話すと推定され、性別による話す量の差は見られなかったのです。
メール氏らの研究結果は、「女性は男性よりおしゃべり」という従来の考え方を否定しましたが、一部の批評家からは「参加者が主に大学生」「全員がテキサス州オースティンに住んでいる」といった点で、サンプルの多様性に欠けると指摘されていました。
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2024年の最新調査:63万件の会話記録を分析
約20年後の2024年、メール氏はアリゾナ大学のコリン・ティドウェル氏やカナダ・アルバータ大学のヴァレリア・ファイファー氏らとともに、再び大規模な調査を実施しました。この調査では、アメリカ、スイス、セルビア、オーストラリアの4カ国から得られた63万件の会話記録が使用され、10歳から94歳までの合計2197人の会話が分析されました。
ティドウェル氏は次のように述べています。
「女性は男性よりもよく話すという固定観念がありますが、それが科学的に正しいかどうかを確認するための検証を行いました。」
年齢層による興味深い違い
この調査では、年齢層によって話す語数に異なる傾向が見られました。
- 思春期(10〜17歳)、成人期(18〜24歳)、高齢期(65歳以上)
→ 男女間に顕著な語数差はなし - 25歳~65歳の大人
→ 女性が同年齢層の男性よりも1日あたり平均3000語多く話す
つまり、一般的な大人の女性は男性よりもおしゃべりな傾向が見られましたが、それ以外の年代ではその違いは確認されませんでした。
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性差の原因:ホルモンではなく「役割」の影響?
ホルモンが原因であれば、年代を問わず性差が見られるはずです。しかし、25歳〜65歳という限られた年齢層でのみ語数差があることから、研究者たちは社会的な役割が影響している可能性を指摘しています。
「子育てや家族の介護といったライフステージの役割が、話す量の違いにつながっているのかもしれません」とメール氏は述べました。
全体的なおしゃべり量が減少?
2007年の調査では1日あたり約1万6000語だった平均語数が、2024年の調査では約1万3000語に減少しました。
この減少の原因について、研究者らは次のように考えています。
「デジタルコミュニケーションの普及によって、直接的な会話が減少した可能性があります。」
おしゃべりも健康の要素になる?
メール氏は次のように述べています。
「私たちは睡眠や運動が健康に重要であることを認識し、それを測定する活動も一般的です。同様に、おしゃべりの量や社会的な関わりが健康に与える影響についてもさらなる調査が必要です。」
まとめ
この研究は、性別に基づいた固定観念が科学的には必ずしも正しくないことを示しました。おしゃべりは単なる娯楽ではなく、健康にも関係する可能性があるため、これからの研究がさらに注目されるでしょう。
皆さんの周りでは、女性と男性のどちらがおしゃべりですか?ぜひコメント欄で教えてください!
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