2024年9月、世界中で大ヒットしたゲーム『パルワールド』の開発元であるポケットペアが、任天堂および株式会社ポケモンから特許権侵害で訴えられたことが大きな話題となりました。
しかしそれに対し、ポケットペア側は**「ファイナルファンタジーXIV」や「ゼルダの伝説」「モンスターハンター」なども同様の技術を使用している**と反論。任天堂の主張する特許自体が無効であると真っ向から争う構えを見せています。

⚖️ 問題となっている3つの「任天堂の特許」
ポケットペアが訴えられたのは、以下の3つのゲームシステムに関する特許です:
① キャラクターにアイテムを投げるギミック
任意のキャラクターにアイテム(例えば捕獲用アイテム)を投げるという、バトルや捕獲に関わる要素
② 捕獲アイテムを使ってキャラクターを捕まえるシステム
いわゆる「モンスターボール」的なシステム
③ キャラクターが別のキャラクターに乗って移動する仕組み
モンスターや生き物に搭乗し移動する「マウント」要素

🛡️ ポケットペアの反論:すでに他ゲームで使われていた!
ポケットペア側はこれら3つの特許について、過去の人気ゲームで同様の機能が実装されていると主張し、特許の**無効性(Prior Art)**を訴えています。
▶ 特許①に対する反論:「アイテムをキャラに投げる」は新しくない
- 『ルーンファクトリー5』
- 『タイタンフォール2』
- 『ピクミン3 デラックス』
- 『Far Cry 5』『トゥームレイダー』など
これらのゲームでは、プレイヤーがキャラクターやオブジェクトに対して特定のアイテムを投げたり発射したりする動作がすでに存在しており、新規性がないと主張。
また、ポケットペアの過去作『Craftopia(2020年9月発売)』にも同様の要素があるとしています。

▶ 特許②に対する反論:「キャラを捕まえる」も既出
- 『OCTOPATH TRAVELER』
- 『Pocket Souls』
- 『ネクソモン』
- 『Monster Super League』
- 『Fallout 4』のMOD「NukaMon Capture Ball」など
これらのゲームでは、特定のアイテムでキャラクターを捕獲する仕組みが存在していたとし、任天堂の特許は新規性・独自性に欠けると主張しています。

▶ 特許③に対する反論:「搭乗システム」はARKでも使われていた
- 『ARK: Survival Evolved』
- 『ArcheAge』
- 『ゼルダの伝説』シリーズ
- ゲームエンジン『Unity』
これらのゲームでは、キャラクターが他のキャラクターや動物に乗るマウント移動が一般的に行われていたため、特許として保護されるべきではないと反論しています。

🔍 海外メディアの評価と影響
ゲーム専門メディア games fray は、2025年4月18日に東京地方裁判所で訴訟記録を閲覧し、ポケットペアの主張をいち早く報道しました。
「ポケットペアとその弁護士チームは、任天堂の特許を無効とするために極めて綿密な準備を行ってきた」と評価。
また、VGC や Eurogamer などの海外メディアもこの訴訟に注目し、**「インディー開発者が巨人・任天堂に立ち向かう構図」**として取り上げるなど、大きな反響を呼んでいます。
🧨 特許の影響?「パルスフィア」機能は削除
ポケットペアは、2024年12月のアップデートで、ポケモンの「モンスターボール」に酷似していると指摘されていた**「パルスフィア」**の投擲機能を削除しました。これは訴訟に備えた戦略的対応と見られています。
🚀 今後の展望:Switch2での展開はあるのか?
一部報道では、ポケットペアが**『パルワールド』をNintendo Switch 2向けにリリースする構想**もあるとされており、訴訟の行方がゲーム業界全体に大きな影響を与える可能性があります。
📌 まとめ:パルワールド訴訟のカギを握るのは「新規性」
任天堂の主張 | ポケットペアの反論 |
---|---|
3つのゲームシステムに関する特許侵害 | 他のゲームですでに実現されていた=特許は無効 |
「パルスフィア」等がポケモンと酷似 | アップデートで削除し対策 |
任天堂の特許は保護されるべき技術 | 一般的な技術で独占すべきでない |
💡今後の裁判での焦点は、「任天堂の特許が本当に“独自性・新規性”を持っていたのか」に集まるでしょう。