🇬🇧 イギリスで100万人近くが「ニート」状態に、政府は抜本的対策へ:背景と解決策を徹底解説

🇬🇧 イギリスで100万人近くが「ニート」状態に、政府は抜本的対策へ:背景と解決策を徹底解説 #ニュース・社会・コラム
イギリスでは、**教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない若者(いわゆる「NEET(ニート)」)**の数が急増しており、政府が深刻な社会問題として取り組みを強化しています。

イギリスでは、**教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない若者(いわゆる「NEET(ニート)」)**の数が急増しており、政府が深刻な社会問題として取り組みを強化しています。

ウェストミンスター大学の雇用研究センター所長であるピーター・アーウィン氏は、最新のデータとともに、ニート問題の背景と有効な対策について解説しています。

📊 ニートは約98万7000人、若者の13.4%が教育・仕事から取り残されている

2024年12月時点の統計では、イギリスの16〜24歳の若者のうち、約98万7000人(13.4%)がニート状態にあります。これはパンデミック以前の2019年と比較して約2%増加しており、若者の6割が求職活動すらしていないという実態が浮かび上がっています。

❗ ニートになるタイミングとは?

アーウィン氏によると、ニートになりやすい時期は以下の通りです。

  • 中等教育(義務教育)終了後の16歳以降
  • 学習から就労へ移行する過渡期
  • 学力が低い層が特にリスクが高い

📉 過去との比較:今はそれほど高くはないが油断できない

意外なことに、現在のニート率は2008年の世界金融危機時と比べては低い状況です。しかし、イギリスの生産性の伸びは長期的に停滞しており、今後の経済悪化で再び深刻な状況に陥る可能性があると専門家は指摘しています。

🏛️ 政府の主な対策案とは?

アーウィン氏は、イギリス政府が検討・実施している2つの福祉改革案を紹介しています。

① Personal Independence Payment(個人独立給付金)💷

長期的な身体的・精神的障害により日常生活や移動が困難な人向けの給付金。収入や貯蓄に関係なく支給されます。

② Universal Credit と健康状態・障害支援🩺

低所得者や無職の人向けの生活支援制度。イギリス政府はこれらの給付対象を22歳未満には適用しない方針を検討しており、これにより年間50億ポンド(約9500億円)の財政節約を目指しています。

🧠 若者のニート増加を支える「メンタルヘルス」の問題

ニートの増加には、精神疾患やメンタルヘルスの悪化が深く関わっています。

  • 16〜34歳で精神的な問題により長期的に働けない若者は約25万人(2025年時点)
  • 2013年:約10万人 → 2019年:約18万人 → 2025年:約25万人と年々増加中

💡 政府のメンタルヘルス支援

  • メンタルヘルス支援に重点を置いた雇用支援プログラムを実施
  • 雇用率を11〜12ポイント向上させる効果も報告されています

📈 解決への鍵:早期支援と質の高い仕事の提供

アーウィン氏は、ニート問題の根本解決には以下が必要だと強調します。

  • 教育機関と福祉機関の連携強化
  • 教育制度に幻滅した若者向けの魅力ある雇用機会の創出
  • 成績が振るわない若者への早期の支援導入
  • 経済成長と質の高い仕事の創出による賃金向上

💬「ニートになりやすい層の支援こそ最も重要であり、それを無視することは将来の雇用危機を招く」とアーウィン氏は警告しています。

📝 まとめ:ニート問題は「個人の問題」ではなく「社会の構造問題」

イギリスにおけるニート問題は、単なる若者の怠惰ではなく、教育の不平等、メンタルヘルスへの無理解、そして労働市場の硬直性が複雑に絡み合った社会的課題です。

若者が将来に希望を持ち、自立できる社会を築くためには、早期からの介入と持続的な支援が不可欠です。

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