海藻は栄養価が高く、環境負荷も少ない「持続可能なスーパーフード」として近年注目されています。しかし、日本では日常食として一般的であるのに対し、西洋では依然として“マイナーな食材”に留まっています。
今回、ブルネル大学ロンドン校などの研究チームが、日本とイギリスの消費者を比較した大規模調査を実施し、その社会的・心理的な違いが明らかになりました。本記事では、その研究内容と背景をわかりやすく解説します。

🧪 海藻の栄養価と環境メリット
海藻は健康と環境の両面で高く評価されている食品です。
- ビタミン・ミネラル・オメガ3脂肪酸が豊富
- 食物繊維が多く腸内環境を整える
- 肥料・農薬・淡水を必要としない
- 栄養豊富なまま海中で育つサステナブル食材
- 二酸化炭素を吸収し海洋の酸性化を緩和する効果も期待
これだけ利点が多いにもかかわらず、西洋の食卓で海藻が広く普及していない理由はどこにあるのでしょうか?

🇬🇧🇯🇵 日本とイギリスを比較した実証調査とは?
研究チームは、日本とイギリスの成人を対象にオンライン調査を実施し、以下の項目を分析しました。
- 海藻を食べる頻度
- 購入のしやすさ
- 将来の摂取意欲
- 健康への認識
- 社会的背景や政治的傾向
その結果、両国で海藻の「位置づけ」が大きく異なることが判明しました。

🍙 日本:海藻は“伝統食材”、女性と右派層が積極的に消費
日本では、海藻は日常生活に根付いた伝統的な食材。研究によると、特に次の層で消費が多い傾向がありました。
- 女性
- 政治的に右派の人々
研究チームはその理由について、
「右派は伝統的価値観を重視する傾向があり、日本で根付いた海藻文化を支持しやすい」
と分析しています。また、女性の消費が多い背景として、伝統的な市場へのアクセスや確立した購買習慣が影響していると考察しました。
🥪 イギリス:海藻は“新しい食材”、消費者の特徴が異なる
対照的にイギリスでは、海藻は伝統的な食材ではありません。そのため、消費が多いのは次の層でした。
- 民族的マイノリティ
- 大学卒業者
- 政治的に左派の人々
海藻はイギリスにおいて「革新的」「代替的」な食材として認識されており、環境意識の高い層が受け入れやすい傾向にあります。
🔍 両国に共通していたポイント:リスクを取れる人は海藻を食べやすい
両国で最も共通していた特徴は、
「新しい食品に挑戦することを厭わない人ほど、海藻を積極的に取り入れる」
という点でした。食の冒険心が強い人は、文化的壁を越えて海藻を受け入れる傾向があります。
🏛 信頼のあり方も違う:政府への信頼と健康認識の関係
調査では、制度への信頼と海藻の健康イメージの関連についても明らかになりました。
- 日本:政府への信頼が高い人ほど海藻を健康的と認識
- イギリス:政府への信頼と健康認識に明確な関係なし
文化や食習慣が異なるだけでなく、公共機関への信頼のあり方も食行動に影響している点が興味深い結果です。
🚧 最大の障壁は「文化的な馴染みのなさ」
研究チームが最も強調したのは、
「海藻が自国の食文化の一部と感じられない限り、普及は難しい」
という点です。
健康効果や環境メリットを訴求するだけでは、消費者の行動は大きく変わりません。
海藻が日常的な食材になるには、
- 調理法の提案
- 文化的ストーリーの共有
- 食卓での使用方法の“わかりやすさ”
こうした文化的アプローチも不可欠だと研究は結論づけています。
✅ まとめ:海藻普及の鍵は「文化の橋渡し」
日本とイギリスを比較した今回の研究は、海藻が普及するかどうかは文化的背景と社会的要因に大きく依存していることを示しました。
- 日本:海藻=伝統食
- イギリス:海藻=新しい代替食
- 両国共通:新しい食体験を厭わない人ほど食べる
- 最大の壁は“文化的馴染みのなさ”
海藻をサステナブル食材として普及させるには、栄養価だけでなく、「文化的なつながり」をどう作るかが重要なテーマとなりそうです🌏
