山道を走る車や波に揺れる船など、乗り物に乗るとどうしても酔ってしまう…そんな悩みを持つ人は少なくありません。ところが最新の研究によると、 「楽しい気分になれる音楽」 を聴くことで、乗り物酔いの症状を和らげられる可能性があることがわかりました。

実験の概要🧪
中国・河南科技学院の研究チーム(イツリン・リー氏ら)は、音楽が乗り物酔いにどのような影響を与えるのかを調べるため、30人の被験者を対象に実験を行いました。
- 被験者は脳波計(EEG)を装着し、ドライビングシミュレーターに搭乗。
- シミュレーション中にあえて酔いやすい環境を再現し、脳活動の変化を記録。
- その後、被験者を6つのグループに分け、1分間「音楽を聴く」または「瞑想を行う」といった回復方法を実践させました。
音楽グループは次の4種類:
- 😊 楽しい音楽
- 😢 悲しい音楽
- 💓 心揺さぶる音楽
- 🌿 穏やかな音楽
さらに「瞑想グループ」と「途中終了グループ」を加え、効果を比較しました。

実験結果📊
結果は非常に興味深いものでした。
- 楽しい音楽 → 症状が平均14%軽減🎉
- 穏やかな音楽 → 症状が平均13.4%軽減🌿
- 心揺さぶる音楽 → 軽減はわずか5%💭
- 悲しい音楽 → 逆に3.3%悪化📉
つまり「明るく前向きな気分を与える音楽」や「リラックス効果のある音楽」が効果的である一方、ネガティブな気分を引き起こす音楽は逆効果になり得るのです。

脳波データから見えたこと🧠
EEGの解析では、 乗り物酔いの状態と後頭部の脳活動が負の相関 を示しました。
- 酔いが強まると、視覚処理を助ける脳活動の複雑性が低下。
- 気分が回復すると、複雑性が高まる。
このことから「気分の改善が脳の働きを整え、酔いを軽減する」というメカニズムが示唆されました。

研究の限界と今後の期待🔍
ただし今回の実験は サンプル数が30人 と少なく、研究者自身も「統計的に十分な証明には至っていない」としています。
それでも過去の研究では、
- VR酔いの症状軽減に音楽が有効であること
- 気分を変える音楽が生理的反応を改善すること
が示されており、今回の結果とも一致しています。研究チームは「明るい音楽や穏やかな音楽が身体状態を良好に保ち、乗り物酔いを和らげる可能性がある」と提案しました。
まとめ✍️
- 🚗 楽しい音楽を聴くと乗り物酔いの症状が平均14%減少
- 🌿 穏やかな音楽も有効で13.4%減少
- 😢 悲しい音楽は逆効果で症状が悪化する可能性
- 脳波解析から「気分と脳の働きの関係」が確認された
まだ小規模な研究段階ではあるものの、「お気に入りの楽しい曲をプレイリストに入れておく」ことが、車や船の旅を快適にするヒントになるかもしれません。🎶✨
